◆たまには物語でも

～洪水に見舞われた宗教家の物語～











ある日、突然の豪雨で町は洪水にみまわれました。

当然この宗教家の家まで洪水が迫っています。

洪水が家まで迫ってくると、主が救ってくださると信じて、その宗教家はひたすら祈っています。

水位が上がり屋根の上まで避難したがそれでも祈りつづけました。

手漕ぎボートに乗った男ふたり、水浸しの家に近づいてき、大声で「オオーイ！乗り移れ！！」と叫びました。

彼は丁重に断り、「主が救ってくださいます」と言いました。

やがて水位が膝まで来たとき、今度は、モーターボートが助けに来ました。

「結構です」と彼は答えました。

「きっと主が救ってくださいます」

とうとう軍のヘリコプターが飛んできて縄はしごを降ろしました。

水は首まで上がっていましたが、彼はヘリに手を振って、大声で

「主がたすけてくださいますから！」

次の瞬間彼は、水に飲み込まれてもがく間もなく溺れ死にました。

気が付くと、そこは天国です。

彼は、創造主の前に立っていた。

「主よなぜ私を救ってくださらなかったのか？」

「私の信仰は、ゆるぎないものでした。」

「なぜ見捨てたもうたのです？」




「見捨てただと！」




主の声が鳴り響いた

「わしはお前に手漕ぎボートをつかわした。モーターボートもつかわした。それにヘリコプターまでつかわしたんだ。いったいお前は何を待っていたのだい？」